ナンピンとマーチンの微妙な関係

昨日の記事は、「マーチンゲール嫌いな人が、マーチンゲールのバックテスト結果に誘惑された時どうすべきか?」ですので、マーチンゲール肯定派の人は気にしなくて結構です。(笑  私自身が何度も右肩上がりの資産曲線に誘惑されつつ、それに対して経験的に妥当な判断をするために使っている簡易な判別法なので、実際に気になるEAがあれば、「マーチンゲール倍率1にする」「他の通貨で検証する」などバックテストを工夫してじっくり評価すると良いでしょう。





ちなみに、私自身はマーチンもナンピンもやります。それらの手法にこだわるつもりは無く、単純に「高リスク局面では玉を小さく、有利な局面では玉を大きく」建てるだけでそうなります。某氏のような裁量で引いたラインでのトレードはやらないのですが、ポジション取りの概念が分かりやすいので、仮想的な水平ラインブレークで説明します。

1. BO(BreakOut)で急上昇を妄想しつつ小玉を入れます。
2. 一段下がったら、上昇トレンドの押し目買いで中玉を買います。(ナンピン1)
3. BOレベルまで戻ったら、ナンピン1は閉じます。これで 1. と同じ状況に戻ります。
4. 再び一段下がったら、再ナンピン1です。
5. 更に一段下がったら、大玉のナンピン2です。
6. ナンピン玉の退出は上位のエントリーレベルで行います。
7. BO玉は、時間的に勘案して、BO失敗と見たら適宜閉じます。(本来のBO玉はもっと大きな値幅を狙ったものです。)

上昇トレンドが期待される局面では、なるべく安値で買った玉が有利なので、玉の大きさは下のほうを大きくします。ナンピン2の下は、下降トレンドの始まりが考えられるので、全玉損切りです。ナンピン2は、損切り幅を狭くできるので非常に有利な建玉になります。
わざわざ分割しているのは、押し目の無い急上昇トレンドにはBO玉が乗り、うねうねとレンジ気味になればナンピン玉が役に立つというのが狙いです。直近の成績次第で BO玉は入れないこともあります。BO玉は高値掴みと隣り合わせでハイリスクなのです。それから、スプレッドに対して動く値幅が狭ければ、ナンピン1は無しで、2の位置で中玉を建てることになります。
(よく見ると、これはトラリピと同じ構造で玉の厚みが異なるだけだと気づきます。そういう意味では、私もトラリピ派....ぇ



ナンピンの教科書的には、本命となる大玉に利益が乗るように上昇を待つ下図のような退出が理想かもしれませんが、多量の玉を長時間持つのは高リスクなので滅多にやりません。デイトレ特有の急な上昇で結果的に下図のようになることがあるだけです。

↓実際のトレードでは、諸事情で理想どおりには行かず、時間切れで上昇トレンドが成立する確率が下がってしまったら、BO失敗玉に対してナンピン1で平均単価を下げてから、平均単価越えでちょろっと閉じます。レンジを形成しやすいFXならではの手仕舞いです。

↑このパターンは、小玉の負けを中玉の勝ちで取り戻すのでナンピンがそのままマーチンゲールな売買履歴になります。



ナンピンではないマーチンゲールもあって、最初のBO売り玉と、ナンピン売り1が短時間で負け確定し、諸々の状況から強い上昇が期待される局面では、リカバリ目的で大玉を入れます。これはデイトレでしか成り立たない戦術で、危険極まりないギャンブルなので、良い子は真似してはダメです..。



こんなトレードが大半なので、ナンピンは絶対ダメとかマーチンゲールは資金効率がどうとか書ける立場にありません...。ただ、デイトレで実用的に使えるのはナンピン2回(≒マーチン2回)が、値幅的に負えるリスクとして現実的なのかなという感触を持ってます。それから、この種の建玉手法はただのテクニックなので、効率の良いトレンド判定戦略と適切な値幅把握が無い限り何の役にも立たないでしょう..。