シャーリー

シャーリーと聞いて、思い浮かべるのは、↓森薫のシャーリーですか?それともシャーリー・フェネット(ギアス)?あるいは、シャーリー・テンプル(子役)?私が就職した頃、お酒を飲む機会があった時は、シャーリーテンプル(カクテル)ばかり注文してました..。
(それが、唯一知ってたノンアルコールカクテルだったから^^;


それはさておいて…。

シャーリィ 2010/05/31 12:02
はじめまして、よくEAを作る時や相場についての考え方を学ぶ際に楽しく読ませていただいています。

相場のレジームについて聞きたいことがあります。
先日の日記で今までの相場のレジームにあわせて、システムを最適化するのではなく
最近の相場のレジームに合わせて、短期的に利益をあげるのが良いと書かれてまして
それを見た時に、「ああ、なるほど!」と。
しかし、それをしようと思ったのですが、最近のレジームの特徴がいつまで続くのか予想などできません。
なので、近場の成績をもとに正規分布を組み、ある程度のズレを感じたらシステムを再編するなど考えましたが、
それも自動化できないかなと。。。
そこで、ある日のEAのsetを決める際、最近1週間か1ヶ月の最適化から過剰最適化された値を用いて行けば、
いいのではないかと思いました。
過去の成績が未来に与える影響はないと書かれているサイトは多いですが、すこしでも過去を用いて未来を予想する
ことが出来ると思っています。
そして、このような既出されたような考えに至ったのですが、、、

faiさんはこの考えについてどう思うか、意見を聞いてみたいです。

意見…ですか。
相場に絶対的な正解は無いので、思うところがあれば自分で実践して確認するしかありません。^^;
EA自体が優秀かつ柔軟で、幅広い相場変動パターンに対応できれば、直近最適化のくり返しで相場の惰性?について行けると私は思いますが、昨日紹介したEURCHF の例のようにどう頑張っても無理な状況もありえるので要注意です。
とあるEA では、過去8ヶ月間の最適化で次の1ヶ月を運用するウォークフォワード手法で良好な成績を収めたという話しを聞いた事があります。その時の肝は、最適化結果次第では次の1ヶ月の運用を止める...という条件設定が絶妙だったとか。
ある文献では、最適化のくり返しによる運用が失敗した (最適化せずに運用した方が成功した)検証例が挙げられていたので、結局、EA次第なんでしょうね...。






せっかくの機会なので、レジームについて過去に考えた事をまとめておきます..。

なんとなくレジー

FXというか通貨トレードの世界?で、レジーム(regime)という単語は金融政策に係わる通貨体制を意味することが多いようです。その変化のスパンは5年〜10年という長さになります。5分足のデイトレーダーが、そんな気の長い話でレジームスイッチを考えても意味が無いので、もう少し扱いやすい意味に置き換えて再定義しちゃいます。



大衆の投資行動に起因して、相場がなんらかの定常状態を示している状態をレジームと定義します。
追加で、期待値がプラスの戦略を立てやすいレジームを良好レジーム(good regime)、
逆に勝つことが困難なレジームを劣化レジーム(bad regime)
と定義しておきます。実際にそんな用語がこの業界にあるかどうかは知らない..^^;


分かりやすいところで、朝スキャの良好レジーム(X)がどのように変化するのか?を考えると

X: 西欧人(大口投資家)が寝ている時間帯で、レンジ相場を形成しやすく、スプレッドが狭い状態
↓時間が経つと
(ア) 特定の傾向の売買が業者に殺到して、スプレッドが広まった
(イ) 夜型の西欧人が朝スキャ組を狙い撃ちしてきた
(ウ) 中国人投資家が台頭してきてレンジ相場ではなくなった
(エ) 理由不明

Y:様々な劣化レジームへ移行し収益機会は消失する。

…多分、こんな感じ。


ジームがいつ変化し始めるか?は、(ア)(イ)の要因の場合は変化時期を予測するのは困難で、(ウ)の場合は、例えば、20XX年X月X日 中国元の変動相場制導入に伴い中国人投資家の FX 参入が盛んに...なんてニュースを知っていれば、日単位で予測もできます。(他にも、サマータイム移行のように時刻でレジーム変化するものなら、事前に知識さえあれば予測できますよね)


ジームの変化の過程はどうか?は、最低でも4パターンぐらいは思いつきます。緩やかに変化してゆくのか(A)、ほぼ非連続に突然変化するのか(B)、その組合せで変化してゆくのか(C,D)..みたいにね。

グラフが手描きなのが悲しいですが…そもそも、レジームX と Y が背反の関係にあって、XであるときはYではない という性質のものなのか、X30% Y70% のように混在可能な性質なのか?で、グラフの縦軸は確率になったり比率になったりする訳ですが、その辺りは定義したレジームの性質に依存します。
要因(ア)については、朝スキャが一部のトレーダーから始まって徐々に一般に広まることで Y に行くなら、パターンAですし、ブローカーがぎりぎりまで我慢して、ある日突然大きなスプレッドを取ったら、パターンBっぽくなります。
要因(イ) は、狙い撃ちする日とそうでない日で異なってしまうのでパターンDかな^^;



こんな風にレジームが変化する要因と、それがどのように変化してゆくのか?を想像した後に、レジーム変化の検出方法を考えるのですが…、端的に言って、要因ごとに最適な検出方法があると思ったほうが良いでしょう。スプレッドの変化なんて、別に売買した成績を評価するまでもなく検出できるわけですからね。。
(そいう意味では、いまどきのEAはレジーム「オン/オフ」スイッチが付いていると思ってる..^^;
最終的に 要因(エ) の理由不明 でレジーム変化パターンも不明な現象に対してのみ統計的なアプローチで推定することになるのだけど、そこから先は長くなるので省略..。


統計学的アプローチと言っても、パラメトリック、ノンパラメトリックともう1つに大まかに分かれて、検定方法もあれこれあってヤヤコシイのです。自分で定義したレジームにどの統計手法を当てはめたら良いのかは、本人にしか分からないですし、そもそも、難しい問題を難しい状態のまま解こうとするから、難しい数学の知識が要るわけで、難しい問題を単純な問題の組合せに分解して、個別に考えたら案外簡単な統計で十分だと思います...。