確率論に潜む罠?

4/19 の記事のコメントはとっても重要なので簡単に記事にしておきます..。

コイン投げで、50%の確率で表が出るコインがあります。
このコインを10回投げたところ、10回連続して表が出ました。
11回目に裏が出る確率はどのくらいでしょうか?

このような状況下で、

コインは50%の確率で表が出るのだから、そろそろ裏が出てもおかしくないだろう。
大数の法則に従えば、裏が出る確率が高まっているのではないか?

と感じてしまう心理的傾向をギャンブラーの誤謬と言います。


そして、確率論に詳しい人は、

コイン投げは、直前の結果に影響されない独立事象である。
よって何回表が連続しても、その後に裏が出る確率は 50% である。

と自信をもって断言されます。








本当に"50%の確率で表が出る"のなら、正しいのですが、もし、"100%の確率で表の出る"コインに掏りかえられていたらどうでしょう?
その後100回連続して表が出ても、「確率論に詳しい人」は、依然として「裏が出る確率は 50% である。」と言わざるを得ませんよね...。これは、「裏が出る確率は 50%」という前提を疑わないスタンスに致命的欠陥があるのです。
『でも、「50%の確率で表が出るコイン」って書いてあるじゃないか!!』と言い出す人は、詐欺にあいやすい…とタレブ先生はおっしゃってるようです。
http://www.burat.jp/members/writerblog/entry_disp.200609201200-0010000.200609201122-5000001.200910072351-5000010
Thanks to TUTさん






「裏が出る確率は 50%」を最初から疑うとしたら、表が何回出たら疑うのが妥当でしょう?
これはいろんな考え方があるので、私の解は秘密です。笑。
(ベイズ統計的に考えると、表が1回出た時点で、『「表が出る確率が高い」確率が高い』となり、2回続けて表がでたら、『「表が出る確率が高い」確率がもっと高い』となってゆくようです。





ちなみに、この問題は、EAのようなシステムトレードの止め時を考えるのと同じ構造になっています。

バックテスト2000トレードで勝率 85 % でした。
実運用を始めたら、いきなり4連敗しています。(ノ_<。)
止めますか?止めませんか?


さすがにEAの場合は、「何連敗しても、その後の勝率は 85% なのです。」と言う人は居ないでしょうけど、どのように考えるのが合理的なのか?は検討の余地があります。単純なところでは、バックテストで起きた連敗数と比較するとか、4連敗する確率を評価する等でしょうか。FXシステムトレード研究ノート〜上級者用〜のphai さんは、「ドローダウンによるシステム運用停止の基準は?」という興味深い記事を書かれているので興味のある人はどうぞ。
(phaiさんは名前がそっくりですが、別人ですので。念のため^^;




ちなみに、私のシステムでは5分足のデイトレなので、勝率やドローダウンを運用停止の基準にはせずに、純粋にチャートパターンだけで停止させています。良く言えば、地合いを見て止めていることになりますが、単に勝ちパターンが少ないので、例外的な値動きに対しては全て止めざるを得ないという...orz