投機ゲームの本質

今日は投機ゲームの本質という...一般人にはどうでもいい話。


このゲームは、複数の胴元と、多数のトレーダーが2つのルールを守ることで成り立ちます。

胴元は、トレーダーの売買注文に常に応じる必要がある代わりに、売値買値を自由に提示できます。
トレーダーは、いつでも1枚ずつ売買注文をできる代わりに、胴元の提示する価格でしか売買できません。

胴元が利益を得るには、トレーダーに提示する売値を安く、買値を高くすれば良いのですが、この価格差(スプレッド)を拡げすぎるとトレーダーは他の好条件な胴元に移ってしまうので、必然的に狭い範囲に収束します。


この胴元にとってノーリスクで利益を上げられる状態は、トレーダーの売り手と買い手が半々となる状態です。
500人の買い注文に対して500人の売り注文が入れば、スプレッド分が丸儲けです。
このバランスが崩れて、550人の買いに、450人の売りが入ると、胴元は100人分の余分な売りポジションをもつことになり、これはそのまま価格変動リスクを負うことになるので、直ぐに価格を上げて、売りポジションを解消しつつ、常に売りと買いが半々となるように調整します。


ここまでで、トレーダーの売り手と買い手のバランスの変化が価格変動を起こしていると理解できたと思います。
さて、このゲームでトレーダーが勝つ、(すなわち、ある価格で買ったら、その後価格が上昇する、)為には、自分が買った後に、より多くの愚かなトレーダーに買ってもらう必要があります。


仮に1000人のトレーダーが買いに走ったとして、あなたが500番目に買えた場合、あなたの後ろにはまだ500人の買い手が居るので、これなら勝てた!と錯覚するかもしれません。ところが、あなたの買う前に素早く買った499人の利食いの売りが、のろまな500人の買いとほぼバランスが取れてしまうので、価格の上昇はそこで止まります。
つまり、勝ったつもりで買ったところが思いっきり高値掴み状態です。笑。


理屈上は500番目なら501番目に買ってくれる人の分だけ勝ってるのですが、スプレッドの壁に阻まれるので勝てません。
こうして投機ゲームでは、勝つためには参加者の過半数をだしぬくことが必要で、平均的なトレーダーは常に負け続けます。全員が勝てる方法なんて有り得ません。そして、トレードが上手で何年も生き残ったとしても、今度は、上手に生き残った者同士でこのゲームを続けるのですから、本当に過酷なあらそいです。





現実のFX市場では、胴元である銀行自身もトレーダーとして参加しますし、銀行の周りには小さな胴元となるブローカーがいて、その周りに私達トレーダーがいます。実需や先物、オプションを目的とした売買もあるので、単純な投機ゲームではないのですが、投機筋が9割もいれば、本質は投機ゲームに近いはずです。


相場で毎年半数の人が退場してゆくのは、彼らが、
・手法を確立できなかった
・メンタルを克服できなかった
・資金管理に失敗した
のが原因と思われるかもしれませんが、彼らが手法やメンタルをマスターして、正しく資金管理を行ったとしても...やはり、半数が負けるのです。これが、投機ゲームの本質です。それでも FX を続ける覚悟がある人は、ご自由にどうぞ..^^;



え?わたし? いつも300番目ぐらいに買う自信はありますよ。
昨日は600人しか買う人が居なかったみたいですが..orz