迷い毎々(3)

通貨の成分分離で書き残した続き。


モメンタムは、現在の価格と N期間前の価格を比較したものであるけれど、それを応用して、現在の価格と過去の特定の時刻の価格とを比較することもできます。この場合、できあがるグラフは速度的な指標ではなく価格そのものに近い指標となります。これに対して通貨の成分分離をごにょごにょと計算すると…

↑青縦軸を過去の特定の時刻とした場合の5通貨の変化を示しています。
(これがくーちゃん考案のチャートだと思うけれど、違うかもしれません。詳細は秘匿すべきらしいので..ひみつ。


前回同様、USD(黄)を基準として引き算すると…

EUR(赤) USD(黄)
赤のラインは、元のチャートの緑のラインと近い形に戻ります。縦軸は微妙に圧縮されているけれど、転換点の位置はほぼ同じでしょう。
(個人的には、これはこれで凄いことだと思ってます。10枚のチャートを一度に俯瞰していることに近いですよね..


過去の特定の時刻をいつ?にするかも問題で、

↑青とオレンジのどちらの時刻を基準にするか?次第で、現在の順位やクロスの位置が変わります。
もちろん、十分に遠い過去を基準とすれば、順位は収束します。なので、いつを基準にするか?は要検討でしょう。。


私としては、これ以上の興味は無いので..研Qしたい人にお任せします。^^;;





たまには質疑応答をば。。

L 2011/02/24 10:06
>多くの情報を持ってトレードできるので有利になれるのでは?

(1)なぜ多くの情報を持つことが有利になるのでしょうか。


>価格が上昇しても、それはユーロの価値が上がったのか?ドルの価値が下がったのか?それとも、両方が同時に起きたのか、あるいは、両通貨とも価値が上がっているが、ユーロの方が激しいからなのか?…を区別する事はできません。

(2)これはどういったトレードを前提に有利かそうじゃないかを言っているのでしょうか
(3)トレードにおける、優位とは一体なんなのでしょうか。

以下は、個人的な考え方なので、鵜呑みにしないように。
(1)は、トレードに勝つために必要な情報の量は案外少ないと感じるのですが、その役に立つ情報を特定するには、より多くの情報を集めた方が確率的に有利でしょう。意味の無さそうな情報でも山のように集めれば、中には役立つものが見つかるかもしれないという感覚です。


もっと単純に、株式ならインサイダー的な情報が得られたら有利に取引できるでしょうし、FXでも、雇用統計の発表時刻を知らないよりは知ってる方が有利、約定に関して公正なブローカーを知っている方が有利..といった具合に、多くの情報を持つことで直接的に有利になれることもあります。


通貨の成分分離も、もしある通貨が動くと別の通貨が遅れて動く遅延関係が見つかれば勝てそうな気がしますよね。だから、情報収集するのです。(株の世界では、大型株が動くと小型株が遅れて動き出す現象があるとかないとか..


(2)は、通貨間の非対称性を前提にしています。
例えばポンド円なら、ポンドと円では絶対的な流通量の違いや、ファンダメンタル的な質の違いがあります。その違いは、通貨固有のボラティリティやトレンドの平均長さ、変動パターンに差異を生じさせるかも知れません。
そこで、ポンド円トレードの過去の成績をどちらの通貨が動いたときに勝っていたか?を分類してみます。仮に、ポンドが動いていた時に勝率が高いことが判れば、円だけが動いている時はトレードしない方が賢明でしょう。
逆に、勝率に差が無かったり、フィルターすると取引回数が減って美味しくなければ、分類する必要はありません。




(3)は、「常に少数派であり続ける」ことが優位だと思います。
その為には、

(A)技術的に真似できない手法を極める
(B)他人がやりたいと思わない手法をみつける
(C)常に先回りして行う

の3タイプがあります。HFTは(A)で、何故か長期に渡って有効性が失われないアノマリーは(B)で、流行りすたりのあるレンジ・スキャルは(C)になるのかな。まぁ、技術の普及や知識の伝播によって、(A)や(B)はすぐに陳腐化して、結局(C)に落ち着くのかもしれませんけどね..。



朝スキャについては、皆がやり始めたら成立しなくなるのは当たり前だと思います。
原理的には FXDD のようにスプレッドを拡げるのが自然だと思いますけど、FxPro は、朝スキャをやらないユーザに迷惑を掛けないように、特定ユーザに対して時間帯制限をした感じでしょうか。
両ブローカー共に、朝スキャの客層を切り捨てた訳で、その結果ブローカーが潰れるのなら残念ですが、逆に経営が安定するのなら正しい選択なのかもですね。