テクニカル分析という言葉が難しい…

最近、「テクニカル分析」についていろいろとコメントを頂いたのだけど、実のところ、私は「テクニカル分析」が何なのかよく理解できていない。^^;
この人の考える「テクニカル分析」は、この文脈から考えるとアレの事かなぁとか、あの人の言う「テクニカル分析」は何処までのやり方を含めて仰られているのだろう?…と、想像するのだけど、言葉の定義が曖昧模糊としているから、断定できないのです。
(もちろん、具体的にこういうやり方の…と書いてあれば分かりますよ..



テクニカル分析の迷信(テクニカル分析の勝てない原因が明らかに!)』という本では、

(A)主観的テクニカル分析=本人の直感でしか使えない。第三者による統計的検証不可。
(B)客観的テクニカル分析=誰でも使えて、再現性有り。第三者による統計的検証可能。
 B-1 統計的検証のなされていない客観的テクニカル分析
 B-2 統計的検証によって役に立たないと判明した客観的テクニカル分析
 B-3 統計的検証によって役に立つと判明した客観的テクニカル分析

テクニカル分析自体を分類しています。そして、B-3を求めるべく、厳密に科学的な検証方法で6402個のルールを調べたら、統計的に有意なリターンを生み出すルールを1つも発見できなかったという話が書かれていて、ある程度統計学の知識のある人なら読んでみるとよいです。(ただ、素人には意味不明かもしれない..


テクニカル分析の迷信」では、個人の経験や勘で行う主観的テクニカル分析は役に立たないと全否定されていたけれど、私としては数千人に一人ぐらいは、主観的テクニカル分析で成功している人がいるのでは?と思ってます。(2本の移動平均と2通貨ペアをみるだけでデイトレで数年も勝ち続けている人が複数人居るらしいので..。)

↑彼らの情報処理を模式的に書くとこんな感じで、どう見てもブラックボックスの中に秘密(聖杯!)があるわけですよ。
こういう処理系では、ブラックボックスの中身が分からない限り、個々のテクニカル指標を元にしたテクニカル分析が有効であるかどうかの議論はナンセンスでしょう。
(聞いた話では、テクニカル指標には有効な時期とそうでない時期があって、それを識別する能力がブラックボックスの中にあるのね。その指標無しには、ブラックボックス自体は機能しないという依存関係にあるのなら、その指標は役に立たないとは言い切れないということ..。



一方の客観的テクニカル分析はというと…

↑曖昧な部分が無いので、バックテストなどで検証することができます。
ある程度長期のデータでテストすれば、移動平均GC/DCは儲からないだとか、RSIの逆張りは損ばかりする..と言った具合に個別のテクニカル分析が役に立たないことは確認できます。また、複数のテクニカル指標を組み合わせると、いとも簡単にカーブフィッティングしてしまい、バックテストでは利益がでるが、フォワードテストでは儲からないことを確認した人も多いと思います。


ただねぇ、この多数の検証結果からテクニカル分析は役に立たないと結論付ける枚挙的帰納法は、早計というか、受け入れ難いでしょう。だって、
「100万種類のテクニカル分析を全数検索によって全て役に立たないことを確認しました」と主張しても、
いやぁ。実に惜しかったねぇ。。100万飛んで1個目のテクニカル分析が聖杯だったのに。」と言われたら泣きたくなりますからね。^^;


…とは言うものの、闇雲にテクニカル指標を組み合わせて有効な客観的テクニカル分析を作り出すのは、ルービックキューブを適当に回して6面を揃えるようなもので、まず無理だと思います。具体的にどうするのがもっとも効率よく探せるのか?は私も分からないけれど。。^^;;




ちなみに、私にとってのテクニカル分析というかテクニカル指標は、

↑価格の時系列データと同等の情報量を持つ写像のようなものとして同列に見ています。
価格が決まれば、指標の値も決まるし、指標の値からも元のおよその価格帯が逆算できますよね。(一対一の関係ではないので..。)
こういう見方をしていると、最も単純なテクニカル指標は価格データそのものです。なので、「テクニカル指標は役に立たない」と言われると「価格そのものから未来予測はできない」と聞こえてしまい、私としては、そんな事は無いと思うのです。。(..というか、思いたい。


何らかのモデルを構築して未来を予測するのは、「テクニカル分析」ではないという人もいるけれど、「テクニカル分析では○○をやってはいけない。」なんて決まりは聞いたことがありません。

テクニカル分析では、絶対に統計学の知識を使ってはいけない。
テクニカル分析では、(重)回帰分析は厳禁である。
テクニカル分析には、一般的な時系列分析モデル(GARCH等)を含めてはいけない。

↑こんな風にどこかに明記されていれば、「テクニカル分析」とそうでないものの区別がつくのですが、一般的にどこで線引きされているのかいまいち分からないのです。
そもそも、どんなに高等なモデルや予測システムがバックエンドで動いていても、最終的にはチャート上にエントリーポイントを示すことができますよね。つまり、売買シグナルのインジケータ化ができるわけです。…すると、「インジケータが買いシグナルを出したので買ってみました〜(^ー^* )♪」となってしまい、どう見ても無邪気に「テクニカル分析」をしているようにしか見えないんです。苦笑。





…なんてどうでもいい記事を書いたのは、ネタが無いからです。すみません。