相対的少数派理論

takechan 2011/10/02 10:40
>他人を出し抜けないじゃないですか

相場で生き残るためには、別に他人を出し抜く必要は無いのでは? というのが最近の私のスタイルですね。

もちろん、ちょっと前までは、どうしたら他人を出し抜けるだろうかと必死に考えたこともありましたが、おそらくれそは不可能だろうと早々にあきらめました。^^¥

ゼロサムゲームである純粋投機市場では、絶対に「他人を出し抜く必要がある」ことに間違いはありません。なぜなら利益の源泉は、常に他人の損失から生まれるからです。実際のFXでは、「損失」を提供してくれるのはブローカーであり、その背後の銀行であり、更に後ろの実需(と、ホニャララ)であることもあって、彼ら自身がそれを「損失」と考えるか、ただの業務コストとみなしているかは考え方次第になりますが..。


ただ、ある人に「全員を出し抜く必要はないよね」と言われましたが、これは正しいです。
投機で利益を上げるためには、自分が買った後に、さらに多くの人が買って、価格が値上がりすればよいですよね。このとき、自分が全体の中で絶対的な少数派に属している必要が有るのか?というと実はそうではありません


過去記事であれほど少数派になれと書いておきながら、少数派である必要は無いとはどういうことか?と思われるかもしれませんが、これは「相対的少数派理論」によって説明可能です。(...ウソです。そんな理論はありません。。

↑この図は、15人のトレーダーが、時間の経過(横軸)とともに、いつロングポジションを持ったのか?を3種類のパターンに分けて示したものです。どのパターンでも価格は上昇するのですが、買った後にさらに多くの人が買った(=利益を出せた)人を青丸で、いわゆる天井掴みをした人を赤丸にしています。
青丸が全体の中に占める割合は、

(A) 66%
(B) 53%
(C) 40%

となります。(C)では、全体の4割に入らないと勝てませんが、(A)なら6割強に入っているだけで利益がでるのです。


このようにして1回だけのトレードをミクロな視点でみると、

自分のポジション保有時間軸で相対的に少数派であればよい。=相対的少数派理論

となります。勝ち続けているのに自分が少数派とは思えない人や、楽に勝ててしまう人は、無自覚のうちに(C)のゲームではなく(A)のゲームを選んでいるのかもしれません。



私としては、FXのHFT(High-Frequency Trading)が普及すると、(A)の相場が(C)へ変わってゆくのかな〜と危惧しています。なので、「2位じゃダメなんでしょうか?」と安易に妥協するつもりはまったく無いのですが、最近公開された、BISのHFTに関するレポート日銀には翻訳無し)を読むと、
・Forex の HFT は、1日の取引の 20〜30% を占める。(2010年)
・HFT は、流動性供給と安定化に役立っている
とのことなので、今はまだ心配無用なのかも・・?とも思ったりします。レポートには、「更なる調査が必要」とあるので、HFTに関しては継続的に見てゆきましょう..。